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用語集その1

2008.10.20 - 小説用語・設定集
この日記は空想科学祭出展作『夜狗-YAKU-』の用語の解説、設定資料をさらすものであります。特にネタバレ要素は含みません。今回のネタは、ナノバイオテクノロジーに基づいて科学技術設定を作りました。私自身も不勉強ゆえ、少々、疑似科学も混ざっていますが、そこは目をつぶってくださいまし。


第零章より


「環境建築(アーコロジー)」

簡単に言えば、生産と消費が自己完結している建物、または都市のことを言う。通常は高い人口密度でもって、住人を内包する建造物、またはそうした建造物郡の都市などで、そこに社会的資源を集中させることで資源の節約を図り、都市スペースを集約することで環境の維持を図るというもの。

今作では、首都横浜市のほかに行政都市、産学連携都市、学術都市を設定。いずれも、都市のエネルギーをバイオ燃料や太陽光発電で生み出し、都市に分配される。また、生活排水などはバイオマス、バイオマテリアルといったクリーンエネルギーと有機素材に再利用され、循環型の都市を作り出しているという設定。都市間の流通はあるが、ほとんどが都市の内部で生み出され、消費され、分解される。

「分子モーター」

生体分子モーター、高分子アクチュエータとも表記される。コイルを用いた電動機ではなく、生物がもつ運動タンパク質のことを指す。筋肉の収縮を引き起こすミオシンやアクチン、神経物質の伝達を行うキネシンやダイニンなどをさす。また、微生物の持つ「鞭毛モーター」を利用したドラッグ・デリバリー・マシンは外科的手術に頼ることなく、薬剤を体内に送り込むシステム。エネルギーはATPと呼ばれる化学物質を用いる。

今回は“ハチドリ”他、強化外骨格や戦車に分子モーターが使われているという設定。いわゆる「人工筋肉」に近いものというイメージ。回転ローターや電動機に比べると、エネルギー効率が良い。ただし、分子モーターの収縮音は相当煩いという設定にしたため、第一話で加奈は「煩くてかなわん」といっている。

「磁性細菌」

磁性を帯びた細菌であるが、とくに名称は問題ではなく、遺伝子組み換えを成された環境修復細菌という設定。現実にも有機物、重金属の分解・除去を細菌や微生物に行わせる「バイオレメディエーション」技術が研究、実践されている。

「ELディスプレイ」

半導体に電荷を加えて発行させる、「エレクトロルミネセンス」という現象を用いたディスプレイ。有機ELなど、現在でも用いられつつある。

「DNAコンピュータ」

従来型のコンピュータと違い、DNAをデバイスとして用いるコンピュータ。分子コンピュータ、塩基コンピュータと呼び方は様々。DNAを構成する塩基、A,T,G,C という4文字の塩基配列によってプログラムされ、そのプログラムは自己組織化によって成される。従来型と違い、超並列処理が可能とされる。また、素子と素子の配線を廃したコンピュータのひとつとされ、小型化も可能。本作では、都市に生きる人間は左腕に、PDAとバイオセンサー機能を持つ分子端末を埋め込んでいるという設定。

*脳にデバイスを埋め込むという方法が既存のサイバーパンク作品では一般的で、最初はそうしようかと考えました。ただ、ナノバイオテクノロジーの目指すところは「非侵襲、または低侵襲型」のサイバー機器開発、という話を聞いたので、比較的安全な腕に埋め込ませました。

「バイオセンサー」

生体由来の、分子認識機能を利用した測定装置のこと。分子端末に埋め込み、体内の環境をチェックするという設定。血流、脈拍、生体内の不純物および特定腫瘍の因子の発見、恒常性を保つのに一役買っている。また、こうしたバイオセンサーは病気の早期発見を促すものであり、癌マーカーなどにより病気の発現を防いでいる。軍事用になると、さらにメンタル状態もチェックする。現在でも本人の生体、遺伝子を利用したバイオチップを用いて、病気の診断などを行うオーダーメイド医療が期待されている。

「ナノカメラ」

元々はマイクル・クライトンの「プレイ」から得たアイディア。空中泳動型のナノマシンの一つ一つがカメラなのではなく、複数のナノマシンの集合体がカメラの機能を持つように配列されることで映像を捉えることができる。生体反応を得る、というのはほとんど後付け設定。

「網膜スクリーン」

もともとは眼球内にある神経組織を模した映像デバイスであるが、それを、人間の眼球にフィードバック(還元)させることで、電子機器とのリンクを果たした。PDAと接続することで、インターネットの映像を直に閲覧し、また軍事衛星とリンクしてGPS画面を投影させる。網膜は低電圧でしかも高速に映像を処理することができるが、生体外ではまだまだELディスプレイが主流である。


「遺伝子導入」

トランスジェニックとも。元々、胚の段階で外部から遺伝子を導入し、好きなように遺伝子をいじるというものだった。デザイナーズ・ベイビーといい、現在でも倫理的問題が指摘されている。胚から完全な生体になったあと、遺伝子を導入することは難しいが、バイオナノマシンを用いることで成長した個体にも遺伝子を導入する技術が研究されている。DNAを一旦、RNAに翻訳し、バイオナノマシンで任意の場所に送り込み本人のDNAに組み込む。遺伝病などの治療に用いられるが、人体改造として、たとえば皮膚の一部を爬虫類のものにしたい場合は蛇やトカゲのDNAをRNAに変換し、任意の場所に送り込む。DNAを改変すれば、ヒトの肌を爬虫類のそれにすることができる、というもの。


「ナノワイヤ」

その名のとおり、ナノサイズのワイヤ。金属素材のほかに、半導体やDNAを素材とするものもある。今回は皮膚の下に走らせることで、端末や埋め込み機器を同調させるとともに神経伝達物質をワイヤ上に走らせることで神経を強化させるという設定にした。


その他:「サムライ」という言葉は、ウィリアム・ギブソンの「ニューロマンサー」から拝借いたしました。



とりあえず、第零章はそんな感じです。次回は第一章の用語、設定資料の解説を行います。

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