長らくご無沙汰だった『監獄街』を更新しますた。
監獄街 第九章
いやーSF企画に忙殺されて、すっかり放置しておりました。ええ。気づいたら1ヶ月半ぐらい、更新していなくてですね。
こりゃー赤字入るんじゃないか
と危惧しまして、大急ぎで書きました。次回は未定ですが、早いうちに書きます。
というかね、そろそろ空想科学祭が終焉に……あと1週間で終わってしまうというこの事実。現在、ようやくクライマックスに指しかかろうというところ。
遅いんじゃヴォケ
と自身を叱咤しつつ書いている次第であります。小説のために夜も眠れず昼寝をし、3度の飯が喉を通らず、翌日に倍以上食うという生活しております(どんなだ)
というか本来の連載があるからなー短編にすればよかったなー。それならば、監獄の更新こんなに遅れなくてすんだものを。後悔先に立たずってやつですね。
『監獄街』、更新したとたんに『夜狗』の倍以上のアクセスがついてうれしい半面
めっちゃ複雑やわー
という気持ちが多々ある。なんで、大してSFしていない監獄の方がアクセス多いんだよど畜生。
ま、思うにあれはディストピアであるとともに、新ジャンル
武術SFという路線で(ry
……ダメ?
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『夜狗-YAKU-』更新 第二章終了
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「当たり前、ということはないと思います」
ぼそりと鈴が口を開いた。蚊の鳴く様な声だったので、聞き取り辛かった。
「何で?」
「だって、失ってしまったら……二度と戻ってこないんですもの、命は。死んだ人は、二度と」
「まあ、それはそうだけど。でも、戦争だから」
「戦争だから、いいんでしょうか」
今度ははっきりと聞き取れた。
「さっきの人たちも……あの、助けていただいた事は本当に感謝しているのですが……でも、やっぱり死んでしまうとなると……」
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今回のコンセプトの一つが「生命」でありんす。生命が尊いか、それよりも重いものとはなんであるか。誰の生命に重きを置くか、もしくは生命は手を加えてもよいものか、等々。まあ、そんなことよりなにより今回更新分で、
10万字突破しちまったぜイヤッホウ!
長いなーこれもう、絶対新規の読者つかない数字だよ。んでまだ第二章だもんで、これからもっと増えまっせ旦那。今書いている分も合わせると今んところ空想科学祭最長だぜべいべー。読むのにも骨が折れるぜ、おい。
いま、ようやく佳境に入ったところですんでね。今週でなんとか仕上げたい、つーか徹夜してでも終わらせねば。授業? そんなの関係ね(ry
いやいや、だめだろう。卒業できねえw
さて、書くか。俺には書くことしかできない(名言ぽく)
『夜狗-YAKU-』 2-1~2-3まで更新
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「軍にいて、それでどこに?」
ショウキが訊くのに、加奈は生返事を返した。
「朝鮮半島にも行ったことあるよ、もっともわたしが行ったのは殆ど後片付けみたいなものだったけど」
軍、か。くしゃくしゃになったセブンスターを取り出して、一本咥える。
「禁煙だぞ、ここ」
「知らない」
火を灯して、ニコチンを吸い込む。どうせ館内の換気システムが煙を吸い上げてしまうのだから。やること為すこと、人がすることの後始末は全て、発達したテクノロジーがどこかで片付けてしまう。羊水に浸っている胎児を扱うように、何でもかんでも始末をつけてくれる。そういう風に出来ているんだ、
環境建築というのは。過保護というか、なんと言うか。その気になれば一ミリだって腕を動かさなくても生きて行ける、ここなら。
少なくとも、都市の内部では、の話だが。
「朝鮮も、“
中間街”も似たようなもんだった。でもまあ、サムライみたいな妙な連中がいないだけマシか。信じられる? 戦場の方がマシだって思えるんだよ」
「そうかい、まあ分からんでもないが」
と言ってほうじ茶をすすって
「お前さん、どうして“特警”に?」
ショウキが訊く。灰を落とす手を、止めた。
「何で、そんなことを」
「いや、だってあまりいねえだろう。セイラン・テクノジーの社長の娘ともあろう者が軍に入って、今度は“特警”だなんて」
「本当の父親じゃないよ」
と言って煙草の火を消した。
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世界観設定:日本
軍国主義、というわけじゃないですが2040年の日本には、当然あるべき軍隊があります。自衛隊という曖昧な武力装置ではなく、本物の軍隊。というのも、この時代の日本はアメリカとの安保を解消しており、そのため自主防衛を余儀なくされています。
2-2で少し触れていますが、2020年ごろから中国が分裂し、北東アジアは混乱をかかるようになります。北方領土、竹島、沖縄などの領土問題にも火がついて日本は再軍備、軍事の増強を余儀なくされます。しかし、近隣諸国の日本軍アレルギーはいまだ健在(というかイデオロギーとして残っている)ため、なかなか周辺との外交がうまくいかない。
さらに、移民受け入れと外国人参政権の認可により、日本の国政に中国人や韓国人も多く絡み、国内外とも複雑化の一途をたどって……みたいなバリバリ政治物にしたかったんですが、どうもそこまで書く技量はなく、匂わせる程度にorz まあ、メインはそこじゃないから、と言うことで。ええ。
ちなみにわたしゃ、思想的に右と言われますが国粋主義者じゃないです。そこんとこ、ヨロシク。
次回は水曜日に更新です。
すっげえ久々の更新情報。
『夜狗-YAKU-』 第一章終了
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「なんかよ、あの娘。お前に似てる気がするな」
ショウキが出しぬけに言った。
「はあ? どこがだよ」
と加奈が返す。
「見た目も違うし、第一わたしはあんなウジウジした性格じゃない」
「そうだけどさ、そういう容姿や性格というんじゃなくて……なんというかお前さんを子供にしたらあんな感じになりそうだなと」
何言ってんだこいつ、と思ったがこれはショウキ流のジョークなのだろうか。こいつは時々真顔で大惚けかますからな、と首を振って。
「全く、あんたって訳がわからないよ。馬鹿なこと言ってないで、さっさと帰るぞ」
加奈は車に乗り込んだ。
水素エンジンの、清澄で滑らかな駆動音がする。網膜に表示された、時刻は19:49、加奈はGPSの液晶を叩いた。頭上には、三日月が掛かっている。ふと、目を見やると鉄の双璧が夜に溶け込んでいた。門(ゲイト)が直ぐそこに、視界の先にある。ビルの谷間から見える鉄の壁。その先は荒涼の街。砂利と鉄屑、錆び付いた骨格。
――“中間街(セントラル・シティ)”
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設定上、2040年の日本は共和制をとっています。なぜわざわざそんな設定にしたかというと、今回の企画作のテーマのひとつが、「人間性」というものです。この時代の日本は、伝統や精神性をほとんどすべて捨て去り、テクノロジーの恩恵のままに暮らしています。はたして、それだけでいいのか、というのがわざわざ共和国にした理由です。共和国、ってことは……はい、勘のいい人はわかりますね。日本文壇最大のタブーといわれる、天皇についても言及しています。それはまた、本編で確認をw
政治の話も絡みますが、そんなに多くないのでもしよろしければ読んで(ry
次回から、ちょいちょい用語の解説なんかもしていきます。