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コラボ小説……? 加奈vsセイ

2008.12.21 - ブログ小説

前回か前々回、同盟間でのキャラバトル小説を書きたいなー、なんて言ったのですがその第一弾がようやくできました。

拙作からは、『夜狗-YAKU-』の加奈を。そして、記念すべき最初の犠牲者は尊敬する早村さんの、『閉ざされた虚構の不協和音』よりセイ君にご出演いただきました。加奈vsセイ、なんですが……

……

まじですみません(土下座)



なんかこう、『虚構』を読み返しながら書いたのですが、やっぱりどこかおかしいかもしれません。というか、人様のキャラって上手く動いてくれないよね……台詞回しや性格など、細かいところが違っているかもしれませんが、あくまで戦闘描写として、ね? ということで、本当に申し訳ないっす。

以下、データ(敬称略)

自キャラ

・キャラ名:晴嵐加奈   

・出演作:『夜狗-YAKU-』 俊衛門 作

・使用武器:ブローニング拳銃、単分子ナイフ

・武術:合気道ベースの軍隊格闘術

相手キャラ

・キャラ名:セイ=オルディナンテ  

・出演作:『閉ざされた虚構の不協和音』  早村友裕 作
 
・使用武器:カスタムリヴォルバー

・武術:空手

ルール

・魔法、テクノロジーなどの特殊な能力は度外視し、肉弾戦のみを描写する。

・舞台は基本的に書き手の判断で決める。ただし、どちらかが極端に有利になったり、極端に不利になるような舞台設定は避ける。


とりあえず、こんな感じで。では、本気で読んでもいいぜーって覚悟の人だけ続きをクリック。

******* 


  “中間街(セントラル・シティ)。トマス・ホッブズの唱えた自然状態そのものたる、そこは混沌に包まれている。そんな土地だからなのか、そこには実に多種多様な人間がいる。これは加奈が“特警”に入ったばかりのころの話である。
 


 その日、麻薬組織を摘発するために、千葉の“中間街(セントラル)に降り立った。普通、こうした任務は二人組で行うものであるが、ショウキはこの日は別任務で借り出されていた。紫田が代わりをつけようか、と言うのにもって1人で向かった。その、帰りのことだった。
 廃棄された市街地の、おそらくは陸標のような扱いだったのだろうか、“蟻塚”と化したショッピングモールを徘徊していた。
 任務完了の旨を伝え、ランデブーポイントに急いでいたとき。加奈の行く手を阻むものがあった。
「何者だ、貴様」
 慌てず、銃を構えて対峙する。少年だった。黒い髪、黒い瞳。華奢な体つきをしていた。サムライかと疑ったが、身体改造の痕跡は認められない。それどころか、都市の人間が導入しているナノバイオ手術も施していないようだった。照準の先で、少年が口を開いた。
「人に名前を訊く時、自分から名乗るものじゃね?」
 少年はそう言うと、回転式(リヴォルバー)の銃を取り出した。既存の銃ではない、どうやら自分でカスタムしたようだった。
「サムライか、あんた」
「サムライ? 何それ」
 そう言って回転式(リヴォルバー)の撃鉄を起こした。成るほど、と加奈は唇。良くあることだ。都市夜狗(ヤク)”を毛嫌いする人間は多いな、って
「あんまり、驚かないのな」
「こういう、街だからな」
 こういう所だから――戦うのにも、理由などいらない。
「ヤろうってのか、あんた。わたしと」
「そ、ヤろうっての。いきなり死ぬんも嫌だと思うし、せめて名前を訊いてやるってんだ。感謝してよね」
 口の減らない奴だ、と加奈はブローニングの撃鉄を起こした。いいだろう、教えてやるよ。あんたも、名も知らぬ奴に殺されたくはないだろうよ。
「晴嵐加奈、覚えときなよ。せめて土に還るときまではね」
 銃口を向け合うのに、フロントサイトの先に少年の頭蓋を捉えた。少年は薄く微笑んだ。肩を竦めるに、首にかかった鎖がじゃらりと鳴って
「俺はセイ=オルディナンテ、通り名は知っているな?」
「知るか、そんなの」
 加奈が吐き捨てると、セイなる少年は意外そうな顔をした。驚いて、いる。
「知らないの? 俺の事を知らないなんてあんたモグリ?」
「モグ……“中間街”は長いつもりだがね」
 セイの銃口は加奈の額を狙っている――包み込む殺気が、それを告げている。銃を構える姿も、余計な力が入って居ない。弛緩体(リラックス)戦士身体てい相手力量素早見抜仕事必要技量
『漆黒の永久灰燼(ジ・エンド)無事ったねえぜ。終り(ジ・エンド)あんたもそうなるよ、次の一瞬にはね」
「世俗を知らぬ、ガキが吐く台詞だな」
 回転式(リヴォルバー)拳銃の銃口を見据えて、加奈が
「地に足つけなよ坊や、楽観主義(オプティミズム)じゃない
「あんたこそ、悲観主義(ペシミズム)じゃ人生ない
現実主義(リアリズム)な。21
 言った瞬間、セイが発砲した。予告も無しに、撃つ素振りも見せなかった。身を捻る。と、弾は加奈の肩を傷つけ、背後の壁に着弾した。もう一度撃つのに、加奈は左に飛んで避けた。地面を穿つ。
 加奈、発砲。セイも発砲する。刹那、空間で火花が爆ぜた。ちょうど、彼我の間合いの中間地点だ。偶然にも、両者が撃った弾が空中で衝突(バッティング)したのだ。眩い発光、白い炎が網膜に飛び込む
 一瞬、目を眇めた、時。
 セイが飛び込んで来た。不敵な笑みを貼り付けて、楽しくて仕方がないというように。
 照準、合わす。セイが前蹴りを放った。爪先が手首を打つのに、ブローニングが弾き飛ばされた。セイは蹴り足を地につけず、膝をかいこみ廻し蹴りに転ず。空気が流動した、と感じた時にはセイの靴先が迫ってきた。
 膝を折って、屈んでやり過ごす。セイの脚が頭上を通過した。セイは体を回転させて、軸足を後ろ廻し蹴りに変化させる。跳び込み、空中で転回し、脚が弧を描いた。
 その足を捕まえる。足首を掴み、捻り廻した。
 バランスを崩して、セイの身体が地面に落ちた。セイは身体を丸めて、地面を転がり受身を取った。飛び起きて、加奈の手を逃れる。
 立ち上がり、銃を構えた。
 引き金が引かれるより一瞬早く、懐に飛び込みセイの右手首を掴んだ。肘を畳み、縦方向に突き上げる。セイが苦悶の表情を浮かべた。
「このぉ!」
 とセイが言って、空いている手で手刀を打つ。加奈は肘で受けた。体重の乗り切らない体勢で放ったにしては、重い一撃だった。
 手を振り払い、セイが銃口をつけた。
 洞穴めいた銃口が眼前に迫り、孔の奥まで刻まれたライフリングまで、はっきりと観察できた。
 反射的に、加奈の左手が動いた。セイの腕に掌を沿わせて、銃口を外す。発射炎が耳元で瞬いた。銃弾は加奈の顔をわずかに逸れた。
 そのまま手首を取り、小手に返した。しなやかな筋肉に覆われた腕は、意外なほどに細かった。逆関節を取り、重心を調整して、投げ飛ばした。セイの体は、空中で一回転したのち地面に叩きつけられた。
 間髪入れずに単分子ナイフを抜いた。逆手に構え、横たわるセイに向かう。
 セイの脚が躍った。仰向けのまま、右、左の二連蹴り。加奈の顎に踵が当たった。脳が揺さぶられ、ふらついた。セイが飛び起きてくるのに、踏みとどまった。銃を差し向ける様を、フィルターがかった視界で確認する。
 銃火、咲く。前に踏み込み、首を捻る。弾が唸るのを耳元に。熱を帯びた弾丸が、こめかみを抉った。
 2発目を撃つ、コンマ何秒か早く懐に入り込んだ。銃身を掴んだ。掌が焼きつくのも構わず、シリンダーと撃鉄を押さえる。セイの顔から、笑みが消えた。
 腕を引き寄せ、ナイフを水平に斬る。狙うは首、頚動脈。
 衝突する、掌。
 セイがナイフを持つ手を押さえた。皮の一枚――そんな、危うい位置で刃が止まる。セイはナイフを遠ざけようと、加奈の腕を押しやった。それに抵抗する。力が、拮抗する。
 間近に迫る、息遣い。常闇めいた双眸、唇が歪むのを見る。十字架のピアス、磨かれた表面に加奈の顔が写った。なんて面だ、我ながら。必死の形相じゃないか。
 なめるなよ、と加奈は腕を交差した。それにつられてセイの腕もクロスする。押していた力が全てセイ本人に返り、バランスを崩した。
 交差された腕の下に肩を入れ、体を転換させる。セイは腕が絡まったまま、空中に投げ出された。
 肩から地面に落ち、セイが声を洩らすのを聞いた。すかさず腕を捻り、肘関節の逆を取る。膝でセイの体を押さえつけた。
 セイは加奈の手を振り払い、銃を差し出した。加奈は切っ先を、振り下ろした。シリコンの刃と鉄の筒が、交わった。
 ナイフは喉に、銃は額に。
 互いの武器を押しつけて、生死の境界線に立つ。鬩ぎあう。
「やるなあ」
 加奈の体の下で、セイが言った。
「あんたみたいなの、初めてだ」
「わたしもだよ」
 実際、大した奴だと思う。組み伏せられて、刃を突きつけられて尚、その眼に怖れの色はない。漆黒の瞳は確かに、加奈の目を捉えていた。肝が据わっている、と妙に感心してしまった。
 ナイフを持つ手に、汗が滲む。この刃を押し込めば、セイの気道を貫く。だが、そうなる前に引き金が引かれ、弾が吐き出されるかもしれない。6連発の拳銃、あと一発残っている。
「まだやるかい?」
 加奈が問うのに、セイは薄く笑って言った。
「どうしても、って言うなら許してやるぜ。ナイフどけてくれたら」
「良く言う」
 ゆっくりと立ち上がり、セイの体の縛めを解いた。単分子ナイフをシースに納める。と、セイもまた銃を納めた。
「久しぶりだ、こんなにアツくなったのは」
 わたしもだ、と息をついた。ついでに、冷や汗をかいたのも。本気で、恐怖を感じたのもいつ以来だろうか。
「サムライにしておくのも惜しいな」
 加奈が言うのに、セイは怪訝そうに首を傾げて
「さっきから気になってたんだけど。その、サムライ、ってのは何だよ」
「だから、ヤクザに依頼されたのだろう」
「はあ、知らねえな。何のことだか」
 依頼されたのではないのか、とすると
「退屈だったから、遊んだだけだ。ヤクザとか、意味が分からねえ」
「や、退屈って」
 それだけの理由で、こんなこと。死ぬようなことをしたというのか。呆気に取られていると、セイは楽しげに、声を上げて笑った。
「楽しかったぜ、また遊んでくれよおばさん」
「だから、わたしはまだ21だ」
 去り行く背中に投げかけるのに、セイはひらひらと手を振って、やがて見えなくなった。加奈はため息をついて、弾き飛ばされた銃を拾い上げた。
 加奈はホルスターに銃を納めた。少なからず、驚いていた。殺戮を愉しむ連中ばかりの“中間街(セントラル・シティ)”で、戦うことに意義を見出す奴がいるとは。純粋に闘争を愉しんでいる。
 「面白い奴」
 また会う事があるだろうか……セイが消えた方向に目を向けた。もし、また会う事があれば戦うことがあるかもしれない。それも悪くないな、と感じた。


 その時は敵としてでなく、共に技を競う好敵手として。

*******


何か、セイ君がアホの子になっている気がする…ほんっっっと、申し訳ないっす早村さんm(_ _)m  好戦的なイメージがあったので、こんなんなってしまいました。もし「ここ違うよー」というのがありましたら、言ってくださいまし。

でも楽しかったです。セイが空手使いで、しかも銃ですから。対銃火器戦闘というテーマを掘り下げるのには丁度良かったです。にしても、合気とか柔の描写ってムズイっすわ。

一応、持ち帰り自由ですん。いらねーっつう説も多々……次回はショウキvsコウも書ければなーとか、思ったり思わなかったり。
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Comment

きゃー>< - 早村友裕

ああ、この時のカナさんは21歳なんだ(そこじゃないだろ

セイがカナさんと戦ってるー(><)
うわわわ、すげえドキドキしました! 一瞬一瞬の緊迫感にのまれそうです><
合気道の知識はほぼ皆無なのですが、力の流れまでもが見えそうな描写でした。
対銃戦闘ではやはり間合いを詰めるべきな気がしますね。距離を置くメリットはなさそうです。

なにより、セイってば自分が書くよりぜんぜん強そうだし! なんかめちゃめちゃカッコいいし!
こいつアホの子なんで大丈夫です。むしろ「悲観主義(ペシミズム)」とか難しい言葉使っちゃってるし!
お前明らかにそんな難しい単語知らんだろうー?!
戦闘だけを楽しむ、というセイの感じがすごくでてて、もう、ほんとに感激です><


あっでも、カナさん、次はそのクソ生意気なガキをぼこんちょにしてやってくださいね♪


あ、最後になりますが、まるっとお持ち帰りでお願いしますm(__)m
ではでは、本当にありがとうございました!

コウとショウキもちょっとばかしみてみたいです(こっそり)。
2008.12.22 Mon 22:41 URL [ Edit ]

米の酒うめえ - 俊衛門

>早村さん
本当にもう、好き勝手しちゃってすみませぬorz

一応、台詞なんかは本編の方から拝借して書いて見たんですが、悲観主義云々は完全に自分の趣味です笑 ジ・エンド、のくだりとか。

対銃火器戦闘については、合気の他にクラヴ・マガなんかも参考にしました。やっぱり極接近状態で銃身を掴む、関節をとるというのが一般的みたいですね。構えて撃つ、までに懐に飛び込むというような。実際に戦ったらこうなるのか分からんですが。

次戦うときは、銃とかナイフとか物騒な得物は無しでやりますかね。それならばボコボコn(ry

失礼w 尾持ち帰りはご自由にどうぞ~こんなんでよければw
2008.12.23 Tue 05:00 URL [ Edit ]
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