R氏さん、キリ番報告ありがとうございました。最近、監獄街どころかサイトの方の更新もしていませんで申し訳ないです・・・。
監獄街、そういえば随分止まってますね更新。8月の終りに更新すると予告してからはや半月。すみません、近いうちに更新できると思いますので。
さて、その監獄街の更新を止めた要因の一つ、空想科学祭出展作『夜狗-YAKU-』更新しました。
ncode.syosetu.com/n0630f/novel.html
1-3、1-4 更新
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「イライラしないの」
涼子が言った。
「別にしてないけど」
「してるわよ。そんなにロボットが嫌い?」
「いや……」
運ばれてきたコーヒーに口をつけるが
「ロボットとかいうより、機械ってのがね。好かない」
「あらそう? でも機械なしじゃ生きていけないわよ。わたしたちは」
涼子はカップを置いた。口紅のついたカップのふちをなぞり
「ロボットもそうだけど、あなたの体に入っている生体分子機械だってそうよ。もちろん、それがなくても生きてはいけるけど、でも今は都市の人間の3人に1人が分子機械を入れてる計算になるわね。医療、または強化目的に。機械を嫌うってことは、自分も嫌いってことになるわよ」
言い返そうとするが、涼子がやけに真剣な
表情をしてくるので言葉に詰まる。涼子はさらに続けた。
「蝙蝠病ってね、そういう思い込みから始まるのよ。機械が嫌い、そして自分の身体にも機械が入っている。そうやって自分の身体がいやなものに見えてくるのよ。加奈、最近薬の量増えたんじゃない? ショウキが言ってたけど頻繁に飲んでるって」
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蝙蝠病、という言葉はトマス・ネーゲルの「コウモリであるとはどのようなことか」から来ています。といっても、ワタクシの足りない頭ではネーゲル氏の言うことの半分も理解出来ませんので、まあ殆ど名前だけと言った感じです。本当はカタカナで「コウモリ病」 と書こうとしたのですが、すでにそういう病気が存在するらしくしかたなしに「蝙蝠病」と漢字で書きました。病の内容は、本文中に書きますのでそちらでご確認を。一応、この「蝙蝠病」が物語のキーワードになっていたりします。
まあ、そんなわけで他の作品ともどもよろしくお願いします。
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