今日病院に行ったら、ウィルス性の腸炎と診断されました。ノロウィルスなのかな。
そんなもんだから、安静にしていなきゃならないのだがでも
そんなの関係ねえ。
ずいぶんご無沙汰ですが、武術談義はじめます。
今回は体捌き、だったのですが……これやると
針井さんの剣道へのススメに被ってしまうおそれがあります。んなもんだから、足の使い方などは針井さんのブログを見ていただくとして、体捌きを含む刀剣テクニックについて考察します。
日本剣術というのは、相手の攻撃を紙一重でよけることを肝としていました。というのも、刀をガッキンガッキン合わせるとどうしても刃がこぼれてしまいます。時代劇では、刀と刀で切り結んだりしていますがあれは良く見ると斬撃を「受け流して」いるのがわかります。
刀身には、「鎬」という三角形のふくらみがあります。その鎬をつかって、斬撃の軌道をそらします。そして、「入身」という、敵の肩口に歩を進めて相手の攻撃が及ばない範囲に身を置く。斜めに歩を繰ることで、斬撃を避けます。この「鎬」を使った刀法は、一刀流系の流派に多いです。ちなみに、「鎬をけずる」という言葉はこの刀の鎬からきています。
ただ、刃こぼれなど気にせずぶった切る流派もあります。薩摩示現流など、一の太刀にすべてをかけ二の太刀は考えないという剛の剣です。こうなれば、体捌きもへったくれもないですわな。
さて、一方の西洋剣術です。ドイツ剣術は、西洋剣術では珍しい両手剣ですが、その剣の使い方は日本剣術とは全く違います。まず、刃を合わせるのを嫌う日本剣術とは違い、西洋剣術はバインドという剣を合わせた状態から始まります。剣と剣を合わせ、わりと激しく打ち合うのが西洋剣術といえましょう。片手剣術、とくにレイピアを使った古式フェンシングは左手にダガーを持ち、レイピアの刺突を防いだということです。体捌きよりも、敵の攻撃を「受ける」ことに重きを置いていたようで。
といっても、足捌きがおろそかにされていたわけじゃないです。ドイツ剣術では、斬撃と同時に足を斜めに逃がします。正面の敵を切ろうとすると、どうしても足が前に進みますが、それだと相討ちになってしまいます。正面に両断しつつ、斜めに歩を繰る……これ、結構難しいんですよね。少なくとも、日本剣術をたしなむものには慣れない動きですw
この二つの剣法は、それぞれの地域や国の刀剣にあわせて発展してきました。どちらがすぐれているということではなく、使う剣によって闘法も変わってきます。たとえば、前回きよこさんがおっしゃっていた「座等市」の仕込み杖などはとにかく脆く、折れやすい。護身用であって、実戦向きじゃなかったのです。なので、座等市は一切刃を合わせることなく居合い切りで敵を倒しています。刀の強度によっても、闘い方は違ってきます。中国の柳葉刀などの重い刀だったら、攻撃を受け止めることも可能でしょう。この辺を考慮すると、小説にもリアリティを持たせることが出来るでしょう。
さて、次回からは刀剣からはなれて徒手空拳について考察します。といっても、武器術との関わりは切っても切り離せないものです。第四回は、「武器と徒手空拳」についてです。
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